No.2329の記事
2012年02月05日(日)   晴れ (なんでもないようなことが)


見た目は、30手前くらいのご夫婦と思われるお客さん。お二人はそれぞれ思い思いの場所でしばらく本を手にとって過ごされていた。まるでお互いに干渉しあわないかのようでもあり、かといって疎遠な感じでもなく、ごく自然にそれが当たり前のようにお二人は同じ店内にいた。
 
そのうち旦那さんのほうが漫画本を1冊レジに持ってきて、「あ、袋は、これに一緒に入れてください」と言って、手にぶら提げていた小さなコンビニ袋を開いて差し出したので、会計の済んだその本を入れようとすると、その袋の中には、おかめ納豆が2パック入っていた。
 
ただそれだけのことなのだが、そこになんだか幸せを感じて、ぽおっとお腹のあたりが暖かくなった。会計をしている間、奥さんはそっと旦那さんの後ろに佇んで微笑んでいる。
 
「今度、めぞん一刻のセット、買いに来ますから」
「えへへ、ありがとうございます」
 
さっきめぞん一刻はあるかと聞かれて、セットならありますとお答えしていたのを受けての会話だ。
 
おかめ納豆と漫画本の入ったコンビニ袋をぶらぶらさせながらお二人は店を後にした。外へ出ると、奥さんはすっと旦那さんに寄り添って、わたしは、腕を組んで帰っていくお二人の後姿を見送ったのだった。
 
ただそれだけのことだが、お腹のあたりが暖かくなった。